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※登場人物の数と名前については厳密な取り扱いをしておりませんので、よしなに処理して下さい。

リチャード二千二十万九百二十二世

人物

  • リチャード王
  • ジョン・オブ・ゴーント ランカスター公、王の叔父
  • ヘンリー・ボリングブルック ヘレフォード公、ジョン・オブ・ゴーントの息子
  • トマス・モーブレー ノーフォーク公
  • オーマール公 ヨーク公の息子
  • 式部卿
  • そのほか、侍従、騎士など

本編

〔第一幕 第一場〕

ロンドン、リチャード王の居城。
リチャード王およびジョン・オブ・ゴーント、他の貴族や近侍等とともに入場。

リチャード王 由緒ある家の叔父、ジョン・オブ・ゴーントよ。約束通り、果敢と名高い子息のヘンリーを連れて参ったか?予てよりその子息が激しく訴えていた、ノーフォーク公トマス・モーブレーによる罪の告発について、このところ暇がなく差し置いていたが、ついにこの秋分の日に改めて決着をつけようと思うのだが。

ジョン・オブ・ゴーント 確かに連れて参りました。

リチャード王 一つ聞いておきたい。その罪についてだが、告発は何か二人の間に私怨あってのことなのか、それとも、ノーフォーク公の叛逆の行いに対する何らかの証拠を掴んでのことなのか?どうか心を開き、知るところを全て話してくれ。

ジョン・オブ・ゴーント 私から申し上げられることとしては、この告発は個人間の確執によるものや我が息子の悪意からのものではありません。私の聞いた限り、息子はただ公の行いにより御身に何かしらの危害が迫っていると確信しております。

リチャード王 では両人を呼び出し、面と向かって話すのを我々は聞こうではないか。告発人と被疑者とが各々思うままに訴える様を。尤も当人達は共に自惚れ、怒り狂っているはず。火のように短気で、また海のように互いの言葉を聞こうとはしないだろうが。(一同退場)

〔第一幕 第二場〕

ボリングブルックモーブレーが入場。

ボリングブルック まず初めに……天も御照覧あれ!この秋分の日にここへ告発に訪れたのは、ただ我が君の御安泰をお祈りする臣下としてであり、決して公に対する僻見や宿怨が為ではありません。そのことをここに誓言致します。そして、トマス・モーブレー。ここからは貴様に対して言おう、よく聞くがいい。地においては我が肉体を以て、また天においては我が不朽の魂を以て、俺が今から口にすることが真実であることを証そう。心の声を聞くがいい、叛逆者め。お前こそは、それに加えて不善で薄汚い卑怯者だ。そう呼ぶには生まれが良すぎるが、それでも生かしておけぬほど。空が美しく晴れ渡るほどに、それを穢す雲の醜悪さは際立つもの。お前の罪を弥が上にも強調するため、もう一度言おう。この叛逆者め。我が王の許可さえあれば、この口から出る言葉を我が正義の剣によって証すところだ。何か言うことはあるか?あれば、思いの丈を言ってみるがいい。

モーブレー 私の口調が冷静であるからといって、忠誠に欠けるなどと思われては心外で御座います。私は斯様に怒りに狂った言葉ではこの議論が落ち着かぬことを知り、自らを制しております。それでも、ただ叛逆者と呼ばれるのを黙って耐えようとも思いません。私が己の赴くままに言葉を吐かないのは、何より王に対する畏敬の念からであり、もしこの男が王の御近親でさえなければ、すぐにでも反抗し、たとえそれによってどれほどに不利な状況に置かれようとも最後まで相争って見せましょう。ただ今は、この男の申している事は全くの虚言であるという言葉を以て、私の忠誠の証とさせて頂きたい。

ボリングブルック 青褪めているではないか、お前はさらに加えて埃を被った臆病者だ。お前は俺が王の血筋だから畏れて手を出せぬと言ったな。(手袋を投げつける)俺は同時に王の近親であることも投げ捨てよう。もはや俺は王の血筋ではない。さあ、この決闘の挑戦を受け取れ。後は騎士道の約定に従い、敗北によってお前の叛逆を示してくれよう。

モーブレー その決闘を受けよう。そしてこの肩に騎士の栄誉を授けて下さった王の剣に誓って、いつでも正々堂々と相手になろうではないか。よく憶えておくがいい。ひとたび馬に乗れば、もし私が叛逆者であったり何らかの不正を働いたりしたのであれば、もはや生きて馬から降りることはない!(一同退場)

〔第二幕 第一場〕

コヴェントリー、ジョストの試合場。
式部卿オーマール公が入場。

式部卿 オーマール卿、ハリー・ヘレフォードの武装は完了しましたか?

オーマール公 無論、完璧だ。試合の開始を待ちかねている。

式部卿 ノーフォーク公の方も気概に満ち、呼び出されるのを待っている。

オーマール公 成程、では両者ともに準備は万端。後は王を待つばかりだ。

喇叭が鳴らされ、職杖を持ったリチャード王が貴族たちを連れて登場。
一同より遅れて、モーブレーが武装して現れる。

リチャード王 式部卿よ、そこの闘士に、何故武装してここへ参ったかを問い、それに名を問うた上で、訴えの正当性を誓言させよ。

式部卿 神と王の名において問おう。名は何と言い、また何故武器と鎧を纏ってここへ参ったのか?それで誰と闘おうというのか、その諍いの原因は?騎士道の誓いに照らして真実を述べるがよい。

モーブレー 我が名はノーフォーク公トマス・モーブレー。この場に参上したは、騎士道に従い、己の忠節と真実とを守らんがため。神の恩寵とこの決闘の腕にかけて、我が敵ヘレフォード公こそが神への背信者であり、王への叛逆者であることを示そう。天よ、我を守り給え!

喇叭が鳴り、原告ヘレフォード公が武装して現れる。

リチャード王 式部卿よ、そこの騎士に名と、武装の理由とを問い、また定めに従いここへ参った訳を証言させよ。

式部卿 問おう。まず、名は何と言う?何故ここへ参った?誰を相手に闘争を行おうというのか?その争いの原因は何なのか?騎士道精神に則り、申すがよい。

ボリングブルック 我が名はヘレフォード、ランカスター、およびダービーの領主のハリー。神の恩寵とこの決闘の腕にかけて、トマス・モーブレーこそが卑劣なる叛逆者であり、我らがリチャード王に危機を齎す者であることを示すためこの場に参上した。天よ、我を守り給え!

一同退き、モーブレーボリングブルックのみが舞台に残る。

ボリングブルック 我が敵に対し、いま一度言えることを言っておこう。ノーフォークよ、もはやこの時を過ぎればお前のその魂が肉体を離れ、空を彷徨うことになるのだ。最後にお前の犯した罪を余すところなく白状してはどうだ?

モーブレー 何を言う、ボリングブルック。私が言うべきことがあるとすれば、それは人を讒誣し憚らぬ背信者への糾弾のみだ。お前の方が忌まわしき、腐敗した卑劣漢であるとな。そちらこそ、心の裡を開き語ってはどうだ。お前にこそ魂を貫く真実の槍が突きつけられていることを思い出すがいい。さあ、憚るところなく、思うところを言ってみろ。

ボリングブルック 俺が言うべきことがあるとすれば、それは別れの挨拶だけだ。

両者、自分の席に戻り兜を被って頬当を下ろす。
リチャード王が現れ、式部卿に試合開始の命令を出すよう促す。
式部卿はヘラルド (先触) 役たる二名の騎士に命じて、両闘士に槍を受け渡させる。

式部卿 喇叭を鳴らせ。闘士達は、前へ。

戦闘開始の合図となる喇叭が鳴らされる。
二人の闘士はまさに突撃しようとする。
その時、リチャード王が立ち上がり、職杖を投げる。

式部卿 待て、王が職杖を投げ落とされた。

リチャード王 両名に兜を外させ、槍を置かせ、各自の席へと戻らせよ。喇叭は鳴らし続けておけ。これから両名に下す判決を諸公と決定し、戻ってこよう。

(続かない)